胃・十二指腸の病気 (胃潰瘍・胃がん・ ヘリコバクター・ピロリ菌感染など)
胃や十二指腸の病気は、胃酸やヘリコバクター・ピロリ菌等によって粘膜が傷つけられて起こる萎縮性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍が多くみられます。その他に、胃がん・十二指腸がんなどがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃酸やピロリ菌、食物、薬物、飲酒、喫煙等で胃や十二指腸の粘膜が傷つけられて起こる病気です。
症状として、胃の痛みや胸やけ、食欲低下などのほか、出血による黒色便(タール便)で気づかれることもあります。内視鏡などの検査で病気が確認されたら、胃酸の分泌を抑える薬による治療を行います。
胃がん
アジア圏では、とくに胃がんの発生率が高いと言われています。発がんにはヘリコバクター・ピロリ菌が関与しています。
早期の胃がんは自覚症状がほとんどありませんが、特にリスクの高い方(以前ピロリ菌感染があった場合など)は定期的に胃カメラを受けていただくことで早期発見が可能です。早期胃がんは、胃カメラでの治療が可能であることが多く、早期発見が非常に重要です。
また、頻度は少ないのですが、ヘリコバクター・ピロリ菌感染がない場合でも胃がんが発生することがあります。ピロリ菌感染がないと診断されている方でも、数年に一度は胃カメラを受けていただくことをお勧めします。
進行がんでも当初は無症状であることが多いのですが、次第に腹痛、吐き気、食欲減退などの症状がみられるようになります。
治療は手術が中心となりますが、近年は腹腔鏡手術やロボット支援下手術など体への負担が少ながく、緻密な手術が行わています。手術成績も良好です。
ヘリコバクター・ピロリ感染
胃潰瘍や胃がんは、ヘリコパクター・ピロリ菌の関与が明らかになっています。
除菌治療を行うことによって、胃がんの発症をかなり抑えることができます。
内視鏡検査で胃炎や胃潰瘍と診断されたり、ヘリコバクター・ピロリの感染が疑われる所見がみられた場合、尿素呼気試験などでピロリ菌の存在を確認します。
感染が確認されれば除菌治療を行います。除菌治療は胃酸を抑える薬(プロトンポンプ・インヒビター)と、2種類の抗生剤を1週間内服します。